『…』
私は思い出に浸っていた。
この学校は人数が多い事が有名で、この春に新しい学校を開校して、分離をする事を決定した。
そして、今日が君に会える最後の日。
『今日も言えなかった…』
せめて悪口だけでも言ってやれば良かった。
こんなに好きなのに、学校が別れたら会えなくなって見かける事すら無くなる。
一言で言えば、寂しい。
先生が教室に何も忘れるなとか言ってたけど、忘れ物が有る。
それは君への告白。
泣くのを私は必死で堪えて笑ってた。
アイツ何かとサヨナラ出来て最高何て嘘を何度も呟きながら。
『ガラガラガラ…』
すると、急に教室のドアが開いた。
固まってしまった。
だって、急に抱き締められたから。
『お前さ…』
この声は…紛れもなく君だった。
『俺にこんなに愛されてんのに、無言で離れる気?』
その声はか細くて、寂しそうで、嬉しくて。
『んな訳無いじゃん。バカ』
何て、減らず口しか叩けなくて。