私は夕焼けに見とれてぼーっと立ち尽くしていた。
そこで、何となく誰も居ない教室の自分の席に座って伏せていた。
すると…
『授業中寝てる奴みたいだな、それ』
一応記憶の片隅位には知っている声がした。
同じ班の男だった。
『えっと…キミは…?確か同じ班の…?』
『そうだ。お前と同じ班だ』
彼はそっけなくそう言う。
『あ、そろそろ帰んないと…』
教室の壁にかけられた時計を見て、私は独り言のようにそう言う。
そして、教室から去ろうとした。
すると…

『これ、忘れてるぞ』

私の筆箱を渡された。
その時の私へと向けられた始めてみた彼の笑顔は忘れられない物だった…