『なぁ、誕生日何が欲しいか言え』
そう言うキミは壁に寄り掛かってた
窓から差す夕日と風のせいで、凛々しく見えたのは秘密
『秘密』
欲しい物も秘密ってすればキミは少しだけこっちを見てくれるよね?
何て、我が儘な私でゴメンね
良い娘なフリしてたけど、ホントは独占欲強いの
何て、思いながら私は腕で顔を隠しつつ机に伏せる
『授業中寝てる奴みたいだな、それ』
とか、前に言ってたね
キミ
『キミだって誕生日近いじゃん
何欲しいの?』
『秘密』
キミはさっきと違って窓の方を向いてて顔が見えない
『何で?』
『多分、お前と同じ理由』
『何となく…かな?』
何て、嘘を吐いてみる
そう簡単に落ちたら、キミ、見てくれないもん
『違う、少しでもお前に見て欲しいからだ
欲しい物も、お前だし』
ホント、キミには敵わない
『降参…好きだよ』
『それが聞きたかった』
『だろうね』
夕焼け雲の中、私達はもう友達には戻れない