私達は屋上で弁当を食べていた。
『七瀬、お前、食べないのかよ?』
実は今、そこそこ体調が悪かった。
食欲が無かった。
でも…
『ダイエット。女子にそんな事聞かないでよね』
この隣に居る昴(すばる)やクラスの友達の叶美(かなみ)に心配はさせたくない。
だから、嘘をつく。
叶美みたいに分かりやすく嘘をつくような事は無い。
嘘は上手い自信が有った。
しかし、この男は違かった…
『お前、顔赤い。熱有るだろ?』
そう言うと、額に手を当てられる。
手がひんやりしている気がした。
それ位に体温が上がっていたらしい。
『保健室連れてってやる』
『え、休み時間終わっちゃ『大丈夫だ。
歩けないだろ?』
『うん…』私は力無く頷く。
『授業遅れても何も言われないように、怪我して絆創膏取りに行った事にするから気にするな。
そーすりゃ、噂にもなんねぇしな』
『そりゃ、どーも』
本当、何処までも優しいんだよね、昴って。