『七瀬。ニヤニヤし過ぎ。
気持ちは分かるけどさ』
隣のアイツが話しかけてきた。
『アンタも分かるんだ。なーんか、意外。
こーゆーの疎い方だと思ってたから』
私は名月の友達の昴(すばる)にそう、返した。
『コイツらが分かりやす過ぎるだけだ』
『見る限り、それもそうだね』
『だろ?』
『て言うかさ、七瀬って、意外とお節介?』
『お節介言うな』
『ハイハイ』
私達のくだらなくて、しょうもない言い合いはまだ、もう少しだけ続く。
授業開始のチャイムが鳴るまでは。