二人のそれ違いは又、帰ってからも行われた。
『ただいまー』
『今部活終わった』
彼はスマホで彼女にそう送った。
『おかえりなさい』
『お疲れ様』
という可愛い動物のスタンプを彼は彼女に2つ送られる。
(可愛いかよ…)
そう思いつつ彼は返信する。
『そのスタンプホント好きだよな』
『あ、遊べる暇な日教えろ』
(え、何それ私の予定に合わせようとしてくれてるの?
優しいかよ
格好良いかよ)
『今週の土日かな~』
(何だよ伸ばし棒ふにゃふにゃしてんの可愛い)
『じゃあ、土曜日で言いか?』
『うん!良いよ!』
(切り出さなきゃ…だよな…もう、いっそ!
えいっ!)
彼は勇気を振り絞って送信した。
『あのさ』
『なーに?』
『何か最近悩んでるのか?』
(あぁ…送ってしまった…)
『え』
(何でそれを知って…て、うわっ!!)
彼女は慌ててしまい、うっかりLI○Eで電話をかけてしまった。
『あ、ごめん間違えた』
彼女はそえ言って電話を切ろうとした。
しかし、それを彼は遮った。
『あ、切らないでくれ』
『へ?何で?』
彼女がそう問うと彼は
『聞きたい事が有る』と答えた。
『その…俺、何かしたか?』
彼の心配そうな声が心に響いた彼女は今日の行動を理解した。
遊びたいというのも口実だったのだ。
『別に何でも…『ないわけないだろ。
最近どんだけ様子がおかしかったと思ってるんだ?
俺が原因なんだろ?』
(あぁ、本当、彼には敵わないな…)
そう思い、彼女は彼に本当の事を告げた。
『カレカノらしい事がしたかっただけなの』
『え…』
『だって、どうすればそんな事君と出来るか何て分からなかったの!
デートだってしたいけど何て言えば…』
彼女の泣きそうな声を聞いて彼はハッとした。
『ごめん…俺も、初めての彼女だったから何すれば良いかなんで全然分かんなくて…
俺だってそうだよ…
何てデートに誘えば良いかなんて分かんなくて…
本当に、ごめん!』
『ううん…気にしなくて良いよ…
私と同じ事想ってくれた事も、私が初めての彼女だって事も、全部嬉しいから…』
『なぁ、今度、遊ぶんじゃなくて、で、デート…しないか?
その…土曜日に』
『え…』
『あ、嫌なら別に『嫌なわけ無いよ!
嬉しい!
じゃあ、早速何するか計画しなくちゃ!』
『お、おう////』
『だって、初めての彼氏との初めてのデートなんだから!』