『なぁ、甘えろよ…二人っきりなんだし…
親、父親は仕事で、母親は友達と遊んで来るんだろ?
なぁ、夕方まで二人っきりなんだしさぁ…』
それは、もう、どうすれば良いか分からなくなった。
そんな風に甘えを求められるなんて初めてだったから。
これでも一応一人っ子だったし、両親はそこそこ多忙だったので、一人で何もかも行うのが普通だったのだ。
友達の家に行っても友達の妹や弟になつかれて、世話をする程だった。
だから、しっかりする事は求められても、甘えを求められるなんて事は無かったのだ。
だから、甘え方等知る筈もなく…
『甘えるって、どうすれば出来るの?』
と、聞いてしまったのも無理もない話だった。
しかし、これが、彪のツンデレの奥のドSの心を引き出してしまうとは、知らなかったのだった…