『私も…その…好き…だよ…連の事』
『え…それ、本当?』
と、連は私の顔を覗き込むようにして近付いてくる。
『本当…だよ?
だって、あのチョコだって…本当は…その…本命…だし…』
『ぷっ…お前、顔真っ赤!』
『それを言ったら連だって!』
『知ってた。
だって、好きな人にこんな事言われてそんな顔されたら、こうも成るでしょ?』
『うー!何か負けた気分…』
『そうそう、そのまま俺だけに負けてよ。
俺は何度もお前に負けてるんだからさ…』
『え!?それってどう言う意味…?』
私は理解できず、そう、聞いた。
すると連は、
『秘密』
と、言って顔を少しだけ赤くしつつ、人差し指を立てて口に当てた。
それは、こんな意地悪な連だけに負け続けるのも悪くないと想ってしまった瞬間だった。