私はとある日の授業中、必死にメモをしていた
(先生、書くの速過ぎる…)
すると先生は突然手を止めた
『じゃあ、今日は○日だから…出席番号○の人、(7)を答えなさい』
(え、それ私じゃん!?)
よりにもよって当たったのは唯一分からなかった問題の(7)
(どうしよ…)
と、一応返事をして立ち上がりつつも、考え込んでしまう
そして、自分の机の上の教科書に視線を落とすと…

(何この紙?)
思わず謎のノートの端を雑に畳んだようなメモを先生にバレないように開く
するとそこには…

(これ、答え!?)

『○△×です』
『正解』
(助かったー…でも、誰から?…)
隣を見ると、メモを回収する男子が目に入る
(隣の男子が助けてくれたのかな?…)
『ありがと』

こいつは俺がメモを渡すのにどれだけの勇気を必要としたか知らない

そして彼はこのメモに引っ込み思案の私がどれだけ発表する勇気をもらったかを知らない