此処はゲームの世界…
戦闘系ゲーム『WORLD MASTER』の世界。
私達は数ヶ月前に此処に迷い込んだのだった…

『疲れた…』
そう言いながら彼…飛竜(ひりゅう)はギルドホームの最上階に位置する、ギルドマスター私の書斎に有る、椅子に腰掛けた
私も『だな』と、言いながら、飛竜と一緒にお茶を飲む


彼女…スカーレットは、お茶を飲みながら、ほっとしたように、顔を緩める
それは、非常に幼く、非常に可愛い顔だった
人を頼る事も、甘えも知らないような彼女の、そんな表情は、何とも言えない物だった
でも、同時にこんな考えが浮上した

“こんなにも可愛い彼女の表情を誰にも見られたくない”

その瞬間、ふと気付くと、声が出ていた
『スカーレット。その顔他の奴に見せるなよ』
『無理だ。顔を見せるなと言うのは』
『違う…その、緩んだ顔を俺以外に見せるな…て、意味だ』
彼女の顔は急激に赤く染まった
俺もだが。