『あ、お前、居たのか』
俺の視界に入ったのは義理の妹が居る教室
同級生だから、実感は無いが
『うん、忘れ物』
『俺もだ』
そう言って俺は自分の机の中に手を入れて忘れ物を取る
『あ、今日、一緒に帰れる?』
『どうかしたのか?』
『いや、今日、結婚記念日だから、サプライズしたくて…』
『何か用意してるのか?』
『うん。一緒に飾り付けしてくれる?…』
俯くの反則かよ…
『あ?そんな事聞かずにやらせりゃ良いだろ
ほら、さっさと帰るぞ』
断れねぇーじゃねぇーか
『ありがとうっ!!』
『っ…』
『あれ、どうかしたの?』
『な、何でもねぇ。さっさと帰るぞ』
本当にコイツの笑顔には叶わねぇ…
そう思って、俺はコイツの髪をくしゃっと軽く触った

そんな風に優しくしないでよ
そんな風に照れたりしないでよ
そうな風に優しく触らないでよ
そのくせ人の気も知らないで…
義理の兄。ダメだって分かってたって好きなの