『たまには、お前の部活早く終わるんだし、俺の部活、見に来いよ』

気付いたら、帰りに近くを通るからと自分に言い訳をして見に来てしまった

『キャー!!』その黄色い歓声をあげる彼女達の視線の先は…
(え、恭弥(きょうや)…?)
そう、私をここに見に来いと誘ってきた張本人だったのだ
(マジか…モテるのか…)
すると…
『キャーーーー!!』更に歓声が大きくなる
陸上部の恭弥が走り出したのだ
『…』それは、声が出ない程に格好良かった
本当は分かっていた
この気持ちから、この恋から…
逃げていたのだ
フラれたら友達や幼なじみと言う関係も、も何もかも消える
そう思うとつい、避けていたのだ
だけど今、思い知らされた
それを越える格好良さを恭弥は持ち合わせていたと…
部活終わりに恭弥は私の所へ来て、冗談として、こう言った
『どうだ?惚れ直しただろ?』
私が顔を赤くしてうなずくと、彼は顔を真っ赤にして逃げた