『カタカタカタカタ…』
私はキーボードをひたすら打つ
インフルエンザで休んでしまったので同僚の神田さん達に私は迷惑をかけた
だからその埋め合わせをしたいのだ
『おい…』
『カタカタ…』
『おいっ!聞いてるのか!!』
『うわっ!?すっ、すみません…』
パソコンに集中していた私に話しかけてきたのは神影(みかげ)部長だった
『お前、昼飯はどうするんだ?』
『まだ、決めていません』
『そうか。もう、皆食堂や休憩スペースに行ったぞ』
『えっ!?』
そう言われて周りを見渡すと、誰も居なかった
『部長。でも私、埋め合わせを…』
『命令だ』
『え?』
『お前は頑張り過ぎだから休め。
これは、部長命令だ。
昼飯奢るから付いてこい』
『それも、命令ですか?』
『それは…自由…だ』
と、小さな掠れた声で照れつつも言った
『じゃあ、ついていきます!』
『お、おう…』
その後ろ姿は強かった
でも、耳が真っ赤だった