『なぁ、俺の何処が好き?』
そう言う彼の瞳は喜びに満ちているように見えた。
その瞳に誘われるように、私は又本心を口にする。
『全部、だよ…
優しいとこも…いつも助けてくれるとこも、
いっつも私に本心を口にさせちゃうとこも… 全部、好きだよ』
『いっつも嬉しいこと言うよなお前』
『へ?』
『お前、何かいっつも俺を喜ばせることばっか言ってる気がする』
それは、唐突な話で、私には心当たりが無かった。
『そうかな?』
『そうだろ。
俺がお前に男として見てもらうために、どんだけ努力してきたと思ってんだよ。
ほぼ全部、お前は気付いて褒めてくれてさ…
全部に喜んでた事、知らないだろ。
てか、心当たりないって顔してる』
それは、意外だった。
彼の前だと本心を口にしやすくなるせいで、恐らく直ぐに褒め言葉を心の中で思った通りに口にしていたのだろう。
それの事かなと納得した。
『それは、君が私の本心を引き出しすぎるからだよ』
と、又本心を口にする。
『そうかよ…本当、可愛いな…お前』
『ありがとう!』
私達の甘くて楽しくい会話はまだまだ続く。
私達が望む限り。
時間が許す限り。