もっともっと




腕を勢いよく引っ張られて、翔ちゃんの腕の中におさまった。


「翔ちゃん!?」


「そういうかわいいこと不意打ちで言うなよな。キスしていい?」


「だめに決まってるじゃん!誰か来たらどうするの!?」


「誰も来ないところならいいんだ?」


「な!…うぅ。翔ちゃんのばか」


「冗談だよ。莉子のそんなかわいい顔を他のやつには見せたくないしな。帰るぞ」


「うん!」


私がうなずくのを見てから、翔ちゃんが私の手を握ると歩き出した。