もっともっと




「翔ちゃん…!」


腕を掴んでいた男の人の手を払って、私を引っ張ると翔ちゃんが私の前に立った。


「なんだよ。彼氏持ちかよ」


そう言って、男の人達はいなくなった。


「翔ちゃ…


「ばか!1人で知らないところ行って、変な男達にナンパされて、俺が来なかったらどうなってたと思ってんだよ!」


「ご、ごめんなさい…」


翔ちゃんが来なくて、このまま1人だったら、私は今頃どうなってたのかな。想像すると怖くなって、不安とか安心とか不甲斐なさとか色んな感情が出て来てまた泣けてきた。