もっともっと




「あれ?ここどこ?」


ひたすら走り続けたら、今どこにいるのか分からなくなってしまった。


1人は心細くて、怖くて、涙が出てくる。


「そこの彼女~、泣いてるけど、どうしたの~?」


「え?」


「うわ、めっちゃかわいいじゃん!」
「これは当たりだな」
「俺らと遊ばない?」


いきなり知らない人に矢継ぎ早に話しかけられて、驚いてしまい何も言えないでいると、腕を捕まれた。


「ほら、俺らと楽しいところに行こうよ」


「や、やめてください」


「顔だけじゃなくて声もかわいいね~。いいとこあるから行こう」


どうしよう。男の人の力になんてかないっこないし、近くに通行人もいない。
こわいよ…。翔ちゃん助けて…。


「おい、俺の彼女に何やってるんだよ」