「莉子は俺と2人で帰るから、だめ」


「3人で帰った方が楽しいんじゃないかな?」


「莉子は黙ってて」


「えぇ?」


せっかく提案したのに、あっさり却下されちゃった。
みんなで帰った方が絶対楽しいのになぁ…。


「そ、そっか。僕はこれで」


「うん。ごめんね。じゃあね~」


持田くんが帰るのに、翔ちゃんは黙ったまま挨拶もしなかった。


「翔ちゃん。ばいばいぐらい言わなきゃ、持田くんに失礼だよ」


「…」


「…翔ちゃん?」


「莉子、帰るぞ」


「え?ちょっと待ってよ…!」


翔ちゃんは私を待たずに1人で行ってしまった。