好きって言ってよ、ばか。

優妃と別れた帰り道。

ぼんやりと考え事をしながら歩く。

そっか、律、好きな人いるのかあ。
でも優妃の言い方だと両想いじゃないっぽかったし、問い詰めたら可哀想かなぁ…。
…ちょっと気になるけど。

そういえば、今日はハンバーグか。
優妃と喋っていたら、結構遅くなってしまったのでもう5時だ。
ざっと4時間ほど喋っていた計算になる。

ほんとうに、ここまで会話が続くのは彼女だけだ。


ふと何となくポケットを触ったとき。

どきっとした。


律からもらった手紙が無い。


心臓が嫌な音を立てている。

どうして無いの?
あの時、確かにポケットに入れたはずなのに。


……落とした??


ますます懸念が大きくなってきて、足が震えだした。

落ち着け落ち着け、あれにはなんて書いてあったっけ。


えっと、最初にもらったのが
『あかりへ。 今日はハンバーグがいい。 byりつ』。

もう一つの紙には、私の
『いいよ』
と、
『やったー!^_^』



・・・・・。

どう考えたってまずいんじゃないだろうか。

律のあかり呼びなんて最早関係ない。
私と律がこんな会話をしていることがバレたら、それ以外にもいろいろな推測が出来てしまう。
とりあえず、

あの2人は一緒に住んでいる。

という疑惑が出るだろう。


……それはヤバい……!!


私が困るのもそうだけど、さすがに律だって困るだろう。

私なんかと、一緒に住んでいるのがバレたら。


一気に気分が暗くなった。


思考がまとまらないまま、足は学校に向かって駆け出していた。

学校に落としたかなんて、分からない。
でも今なら、まだ間に合うかもしれない。

お願い、誰も見てませんように……!!