「きっ、着替えました」
数分後、ようやく着替えが終わり
沖田さんが振り向いた
「見違えるな。綺麗だぞ、夏」
「あの、これって……」
沖田さんが私に手渡したもの
それは眩いくらいに綺麗な着物だった
桜や蘭の刺繍が施されている
こんな綺麗な着物、着たのはもちろん初めて
「前にみんなで島原に行った日あったろ?
その時に桔梗に頼み込んだんだ
何とか安く着物を譲ってくれないかって」
「だからあんなに話し込んで…」
「あの時はお前に勘違いさせちまって悪かった
どうしてもお前に着てほしかったんだ」
「あの、どうしてそこまでして…」

