料理は和・洋・中とあり、オードブルからメインまで多種多様と言っていた。
「にこにこマートのお惣菜もおいしいけどさ、やっぱたまには高級ホテルのビュッフェも食べたいよね」
とシェヘラザードはまたもこそっ。
いえ、俺はあなたの手料理が一番美味いと思います。
……なんて口が裂けても言えない。
でも
二人だけの秘密めいた会話ができてちょっと嬉しい。にこにこマートの惣菜が美味いことを知ってるのはこの場所で、きっと俺と彼女だけ、だ。
飲み物はビールなんかのアルコールも、ウーロン茶とかのソフトドリンクも合わせて10種類程ある。
「君はこれ、はい」と手渡されたのはオレンジジュースが入ったグラス。
子供扱いされてちょっと口を尖らせたが
「こないだみたいに酔って寝ちゃってもねー」とシェヘラザードは苦笑い。「今日は気を付けてね」とありがた~~い、アドバイス。
でも……
ん??待てよ?
こないだ、俺の人生初の告白はもしかして酔っぱらって言ったと思ってる!?
違うんだっ!
と言い訳したくても、「違う」なら違うで、じゃぁあれは真剣だったのか、と改めて言える内容でもない。
あんなバンジージャンプみたいな告白はできれば人生で一度だけがいい。
そうこうしているうちに彼女はさっきの受付嬢の一人に「チーフ、ちょっといいですか?」と呼ばれて行ってしまったし。
とりあえず、何か食べよう。脳内にタンパク質やビタミンなんかのエネルギーが入ればちょっとは考えがまとまるかも、と考え俺は料理の並べられてるテーブルに向かった。
考えることは大事だ?