SHALIMAR -愛の殿堂-



A定を食べ終えた吉住と結局並んで講義室に向かうことになった。さっき吉住は笑い飛ばしていたが、意外に真剣に今後のことを考えてくれてる。


「イベントまで一週間だよな~


その一週間の間で、例の如くベランダでお喋りしろよ」


「お喋り…とかキマヅくて喋られないよ。向こうだってキマヅイだろ?」


「そうかもしれねぇけど、告っちゃったものはしょうがないじゃん。今更撤回するのはもっとかっこ悪いし、余計キマヅくなるぜ?」


ま、まぁ確かに…


「告白したのはお前からだし、その気持ちに嘘偽りはないんだろ?」


そう聞かれて、俺は無言で一つ大きく頷いた。


「だったらお前は堂々としてればいいの。いつも通り何でもないような会話して、


あ、返事急かすようなことはNGな。ガッついてると思われるかもしれないから。


誰でもいいって印象与えたくねーだろ?お前だって由紀恵さんだから好きになったんだろうし」


そ、そっか!


俺は「分かった!」と言う意味でブンブン首を縦に振った。


「まぁ一週間でケリつけなくても、最悪一週間後に顔は合わせるわけだし、何とかなるって。そのイベントには俺も参加するから、心配するなよ」


と、いつになく頼れる吉住。


よ、吉住っ!!俺は吉住が運命の神様のように思えてきた。


が……


そうそう運命の神様ってのは都合良く現れてくれない。


と言うものの、それから二日程雨の日が続いて、その後は俺がバイトだったり、シェヘラザードもイベント前と言うことで夜遅く帰宅してきてそのままだったり。と何だかんだすれ違っちゃって


そして、とうとう迎えた。


決戦(?)の日―――