SHALIMAR -愛の殿堂-



一つ知ったら、また新しいことを知りたくなる。


それを知ったら、次はまた新しいこと。





彼女のことをたくさん知りたい―――




夜に交わすあの短い会話だけじゃ足りないよ。


ピラミッドの……


頂点より少し下の方だな。


「思ったけどさぁ、お前ちょっと話しただけで浮かれてるじゃん?もし、もしもだよ?


この先付き合って手を繋いだりキスしたりとかしたらさ~お前どーなるの」






手を繋いだり…


キスをしたり―――




………





吉住が俺のレポート内容をメモしていた手を休めてちょっと顔を上げると、


「うっわ。お前今からそんなんでどーするよ。顔真っ赤!♪

てか反応がすっげぇ可愛いな♪」


からかうように言って俺をつつく吉住。


「う、うるさい!!」


「てかまさか話せるだけで満足してるんじゃないだろうな~。キスの次も色々段階があってだな~。


てかそんなことも考えてなかったの?ウブ健人め。まさかお前、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるとか思ってんじゃねぇだろうな」


「んなわけあるかぁ!それぐらい俺でも知ってるわ!!」


前言撤回


俺の欲求のピラミッドはまだ小さいもんだ。


吉住のピラミッドに比べりゃ、まだまだ底~の方だな。