住職さんは俺の隣に正座して並ぶと、
縁側の外を眺めながら言った。

「煩悩のけがれを離れて、清浄である事。
青山くんが特性として持っている"魔性"とはまるで真逆の性質だね。」

確かに…今朝見た"アフロディーテ"の神話とはまるで違っている。

寧ろ住職さんは、俺達の知る"無垢"を知らない。でも、知らないからこそシンプルな答えをくれる。

「そうですね…。相反した存在だからこそ、対立するのかもしれません。よし!切り替えて集中モードに入ります!」

「ほう…。では私は裏の間の方にいる。」

一人きりにしてもらったので、
俺は改めて座禅を組み、集中した…。