知り合いだったかのように俺達は話すから、新太くんは交互に見て驚いていた。

「すげぇ!初対面なのにそんな事も分かるんだ!」

「ワシも"Last note"持ちに会ったのは初めてぢゃ。老い先短いのに会えるとは光栄だ。」

「俺も光栄です。」

この不思議な感覚を、まだ味わっていたかった。
お爺さんは俺を見つめずっと微笑んでいてくれる。

「少し大きな物を背負ってるみたいぢゃが、神様は乗り越えられん試練は与えない。若いって事は無限の力を秘めてるからな。安心せぇ。」

「貴方のような大先輩にそう言って頂けると、勇気が出ます。」

俺達は自然と、抱擁を交わし合った。