難波さんは基本マナーに忠実だから良いとして、問題は矢崎さんだ。

「あぁ?そうだよ欲求不満ですよ。分かってるんなら俺に見せつけないで下さい。もしここでキス以上の事したら"Last note"で視た矢崎さんの恥ずかしい秘密バラしますからね?」

「何それ怖いぃ!!」

まぁそんなの視てないから冗談だけど。

「円香、そんな秘密あるのか?」
「無いですよォー!多分!!」

そんなお灸を据えて満足した俺は、コーヒー片手に【特性を持つ者へ】のHPを開いた。

特性の種類一覧ページをスクロールしていくが、やはり"無垢"の更新はされていない。

「何を探してるんですか?」

やっと仕事モードを取り戻した矢崎さんが、HPを覗き込んできた。