「どっちでも、愛してる。」

その言葉が、俺の心にスっと響いて
目頭が熱くなった。

「俺もだ…。」

2人して涙を堪える物だから、鼻が赤くなってきて、それを見合って笑った。

「涙脆くなったわね、私達。」

「そうだな。それだけ赤ちゃんの存在は尊いもんだって事だよ。少しおやすみ。」

おでこにキスを落とすと、素直にレナさんは眠りについた。

俺は食べたかった肉じゃがを作りながら、
1人して泣いた。

グツグツ煮込まれる鍋の中に、
一筋の涙のスパイスが加わった…。

産まれてくる子供の為にも、

何としてでも"無垢"の開花を防がないと…。

俺は料理をしながら、
改めて強く誓った……。

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