ーーーーーーー

帰りの人数が多いので、タクシーをもう1台頼もうと思った俺達は、待って貰っていたタクシーが停まる場所へ向かっていると、

ちょうど運転手が外に出ていて、ぼんやりと空を見上げこちらに背を向けていた。

「すいません、タクシーを…わっ!?」

声を掛けると、突然強い向かい風が吹いた……。

ゾクッと、風の冷たさに寒気を感じる。

「何、今の風…。」

それが過ぎ去ると、タクシー運転手が微笑みながらこちらを振り返った。

なんだ……?? この人、何か変だ……。

人なのに、違和感がある。

「遥斗……この人、何かに憑かれてる。」

「え……?」

俺の腕にしがみつくレナさんは、霊感持ちだ。
今、何が視えているんだろう?