紺色のドレスを着た憂莉さんが、まずリースを手前に掲げる。

パール加工されたベージュのドレスを着た日芽さんがフルートを構えると、紫音に目で合図を送り、ピアノの音が優しく奏でられ始めた。

ー曲は、リストの『愛の夢』……。

ー♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜…

日芽さんがフルートを吹くと、

曲調に合わせてシュルシュルと音を鳴らしながら、憂莉さんが持っているリースについた蕾が花を咲かせた…。
"Breath"の光の特性だ。

それはピンク色の花冠となり、
憂莉さんがそれを宙に浮かせ操ると、ふわふわとレナさんの頭上にそっと乗った。
"Breath"の影の操る役割だ。

「凄い…こんな事ができるなんて!ありがとう。」

レナさんは小さく感動しながら、花冠を少しだけ深めに被る。