『ありがとう…君たちのお陰で、開花を防ぐ事が出来た。』

「…本来の"無垢"って何?青山何を視た?」
「んー神様?みたいな感じなのかな?寧ろ仏?」

"無垢"は俺達のやり取りを見てくすくすと無邪気に笑っている。

『神でも仏でもないがな。だが、青山くんがこの身体の持ち主の中に我を見つけ出したのは本当だ。』

「…あなたは本来、形なき存在なのでは?」

『そうだね。だから、特性として生まれるのは本来有り得ない存在だ。あの女性は欲深かった。まさにアフロディーテとそっくりだね。
我を器として利用したかったらしいが、宝帯は宝帯で人を選ぶ。人間世界で例えるなら、不採用だ。』

「"無垢"。あなたは宝帯の存在をずっと守っていたんですね?」

そう聞くと、微笑んだ。