初めて彼を見た時、まだ5歳だった私でも衝撃を受けた。

王子様。

お姫様に憧れる年頃にはそう見えた。

三輪車に跨る王子様。

一瞬で私は彼の虜になってしまった。


「貴斗ー!一緒に遊ぼう!」


幼稚園に登園すると、真っ先に貴斗の元へ走っていた。

お弁当の時間もトイレへ行く時も、ずっと貴斗と一緒。

誰にも貴斗は渡さない。

私の初恋は和田貴斗。

今も恋してるのは、あの日からずっと和田貴斗だけ。