私はここで働くことに決めてから名を貰った。


『敬(けい)』


それが私の新しい名前。






そして名前をもらってから早くも一年が過ぎようとしていたそんな時。





「敬さん、ご主人様がお呼びです。」


「ありがとう。すぐ向かう。」


なんの用だろう。


いつもほかの使用人と同様に、


ご主人様の執事様が用を伝えてくださるのに。


私はそんなことを考えながらご主人様の元へ向かった。



トントン


「敬です。」


「入れ。」


私はお辞儀をして中に入った。


「敬、お前に仕事だ。」


「はい。なんなりと。」


「尊人(たかと)の傍仕えになれ。」


「…はい。かしこまりました。」


尊人様は、ご主人様達の息子さんだ。


私の耳にも情報が入る。


それはどれも、

傍使いが新しくなった、クビになった

です。


私の役目はこれか…!


「私達の息子はな文学界では有名な筆者だ。

だが傍仕えの者には厳しくてな、

今までの傍仕えは一ヶ月も持たず辞めさせられた。

意味はわかるな?

誠心誠意、尊人に尽くせ。」


「はい、ご主人様。」



その後は速かった。


私の荷物は直ぐに尊人様の元へ持っていってもらい、


その二日後に尊人様のお屋敷へ私も向かった。