「……彼女……いたんだけどね。」























え?









「えーっっ!!!!」



『シューっ!!』



「はっ!鍋!」


鍋の吹きこぼれる音でハッと我にかえった龍仁は慌ててキッチンへ戻り火を止めた。






え………


き、聞き間違いじゃ………ない…よ…ね?


今、今、


かっ彼女…いたって…かかか彼女…


女アレルギーの龍仁に………


彼女!?



何もなかったかのようにまた料理を続ける龍仁の背中を思わずガン見する。



「……ねぇ…ねぇ!」

「ん、なにー?」


「いやっ、いやいやいや!フツーにしてるけどさ、彼女…彼女いたって!」


「え?そんなこと言った?」


「言った言った!」


「うそ、聞き間違いじゃない!?言った記憶ないんですけど…わけわかんないこと言わないで。」


「は!?それコッチのセリフだし!確実にアンタ彼女いたって言ってたけど!?」


「言ってないし!も~しつこいんだけど、黙って。」


なにコイツ…

もしや…

無意識に言ってた!?

起きてるのに寝言!みたいな!?


龍仁の性格から言ってウソついてるってわけでもなさそうだし…


なんなのコレ。

ドッキリ!?