「あ?客?」


あたしは眉間にシワを寄せるとまたミルクパンをかじって席を立った。


ドアの前には隣りのクラスの男子と思われるヤツがつっ立っていた。


名前は知らないケド見たことはある顔だ。



「ごめん、ちょっといい?」


「別に……いいけど…」



名前くらい名乗れや!知らんし!



あたしは名前も知らない男子のあとを追って廊下に出た。


ちょうどみんなゴハンを食べている時間帯なのだろう。廊下は昼休みだというのに人気があまりなくガランとしていた。



「で、話ってなに?」


「えっとさー、その…美園サンって…彼氏とかいたりする?」




は?
彼氏??




「いないけど。」


「えっ!?」





え!?
いやいやこっちがえ!?だよ!
何、その反応!



「え!?て何?いないとダメなワケ?」


「いやいやそーゆーことじゃなくて!いないとか意外だなーと思って。」



意外?
はて、意外とな?



「そお?」


あたしは首を傾げて見せた。

そうか?
何が意外?
いそうに見えるってことなのか?

なんかありがたいやら悲しいやら複雑な気持ちになるわー。


「あのさ、いないんだったら…アドレスとか交換してほしいんだけど…」


「へっ!?」

アドレス!?