「よっしゃ!本番はあたし休むケド…みんな頑張って!特に航太!アンタ、ムダに足早いんだから1位目指せよッ☆」


「お前も来いや!」


「あ、そうそう。当日休んだヤツには商品ないらしいから休まないほうが得だぞ~。」


「!!」



「あらら、サーコ固まったちゃったよ。龍ちゃんなんとか言ってあげたら?」


「まぁ………人生そんなに甘くないってコトだよ。」








――昼休み――


「あーもー普通にウザイわ、マラソン大会とかいって!フガーッ!」



あたしは怒り気味に売店で買った大好きなミルクパンにかぶりついた。


「スゲー鼻息…。」

「マラソンに罪はないのになぁ。」


スゴい勢いに男子2人は若干引き気味。


「そうそう、さっき隣りのクラスのコに聞いたんだけど、明日から体育でマラソン大会の練習始まるらしいよー。」


「はぁ!?どんだけ!?」




何のためにそんなことしなきゃいけないんだ!

苦痛だろ…


地獄だろっ!




「美園~。客来てんぞー。」



まるでこの世の終わりだ、みたいな顔をしていると教室の前のドアのあたりでクラスの男子に名前を呼ばれた。