まぁ、嫌いじゃないんだけど。


シャツを着るとベージュ色のセーターを羽織る。


久々だけど真新しい制服はなんだか着心地が悪い。


そう思いながらネクタイを手に取る、














が、














「…………ネクタイの結び方教わるの忘れた。」










完全にやっちまっただな、コレ。



入学式当日にネクタイが結べないってゆー痛いミス。


そして教わる人がいないってゆー残念極まりない状況。





「マジないわー…」




あたしはネクタイ片手に働かない頭をわしゃわしゃとかくとしばらくその場に静止した。













あ。






教わるヤツ、



ひとりいたわ!











「りゅーじーんっ。起きてるー?」


そう、アイツ

二神・ヘタレ・龍仁

もうヘタレがミドルネームだよね、ヤツ。




あたしは和室のふすまをドンドンとノックした。



「………………」




反応ナシ…




寝てんのか?





………もしくは



まさかのシカト!?




「おい、コラ。龍仁、起きてんなら返事しろ。」


まるで取り立てのような呼びかけ。