「はぁ…とりあえず…よろしくね…タメだし。」



あたしは大きくため息をつくと腕組みしたまま弱々しいカレを見て言った。



「ですね…」



「てか敬語やめよ!あたし敬語ダメなんだよー。なんつ~か、歯が浮くカンジがして。だからこれからはタメ語でお願い。」



「…うん、わかった。」


「早ッ!意外と飲み込み早いねアンタ。」


「ええ、まぁ。」




「女の子とまともに話せないッて聞いてたからどーなんだろーって思ってたんだけど、フツーに話せるんだね。」



「今は話さなくちゃいけない極限状態だからね。」



「なんかあたしが悪いみたいじゃん。」



「いやいやいや!そそそそんなつもりないし!怒んないで!」



「怒ってないし。てか焦りすぎだろっ。」



動揺し目が泳ぎまくるカレに思わずツッコんでみる。



「あ、そうそう。あたし、なんて呼べばいい?」



今さらだけどさっきからあたしは彼をカレとかアンタとしか呼んでいないことに気付いた。



「なんでも…いいよ。」


「なんでもがイチバン困るんだけど…じゃあめんどくさいから呼び捨てにすんね。」


「うん。じゃじゃあ…あの…僕は…なんて呼べば…」