『でね、ようは龍仁くんが後継ぎになるんだけど…どうも女の子アレルギーらしいのよ。』



「は?」


女の子アレルギー?

なにそれ、

聞いたことないんですけど。



『昔はフツーだったらしいんだけど、ここ最近女の子と全然話せてないらしいのよ。』



「ふぅん…」



『二神さんは、今の状態がずっと続いたら龍仁くんがお嫁さんもらえないんじゃないかって心配してるみたいなの。』




「まぁね、話せないんじゃ結婚は到底ムリでしょうね。」



『だからぁ、その女の子アレルギーを治すためにはスパルタ式に女の子と一緒にいる時間をムリヤリ作ればいいんじゃないかと……』



「カレにとっては拷問だね…」




『で、その話を二神サンがパパに話したら、ちょうど桜子がひとり暮らしするからウチの娘はどうですか?ってなったわけなの。』



………………………




「は!?ちょちょちょ…なにそれ!あたし売られてんじゃん!」





あのクソ親父…
実の娘を勝手に売り飛ばすとは信じらんない!



ドナドナドナ~ドナ~子牛を連れて~♪



思わず頭の中でドナドナが駆け巡る。



『まあまあ、コレも人助けだと思って一緒に暮らしてあげて☆あの二神サンの息子さんだから絶対悪いコじゃないし。』