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あたしは今、

完全に

テンパっていた。




『ここ…僕の家なんですけど。』






いやいや、


あたしの家ですけど!?





なに!?

どういうこと!?




コンビニに出かけようとしたあたしの前に現われたのは見たこともない男の子。



真っ黒でユルーいパーマがかかった髪の毛と、キリンみたいに長いまつ毛と大きな瞳、色白で小顔、



そう


ひとことで言えば





イケメン。





なぜ!?


なぜイケメンがこんなとこにッ!?


名前は……




『ふ…二神です。』






フタガミって言ってた!




あたしはとりあえず玄関に腰をおろすとポケットから携帯を出し、ママに電話をした。






プルルルル…
プルルルル…





『はぁーい。桜子ちゃんどうかした?』



こっちの緊迫感とは裏腹な気の抜けたママの第一声。




「どうかしたじゃないよ!なんかフタガミとか言う、う~ん…あたしより2、3コ年上っぽいイケメンが突然家に来て、ココは僕の家だとか言っちゃってんだけど!」