どうして僕は七海のキモチに気付いてあげられなかったんだろう。


不安なのはみんな一緒なのに。


もっとわかってあげればヨカッタ。

もっと話し合えばヨカッタ。

別れようって言われたときちゃんと話し合っていたら、



僕たちはまだ





付き合っていたのかもしれない。




うまくいってた、きっと。



別れなくてすんだかもしれない。




心が揺れる気がした。


もしかしたらまだ付き合っていたのかもしれないと思ったら急に脈拍が早くなった。


傷つきたくないからと、話すことをさけてた僕。


結果的に話さなかったことでトラウマが生まれた。


浮気されたことは自分のせいだと思っていたのに、

トラウマが出来たことは七海のせいにしていた。



そのほうがラクだったから。



だけどそれは結局何の解決にもなってなくて、逃げてるだけだった。


逃げても逃げても七海はいつもどこか頭の中にいたわけで、

本当は話し合わなかったことを、分かり合えなかったことを、ずっとずっと


後悔していたのかもしれない。


七海はまだ


僕のことが好き。


今なら七海のキモチがわかる。









サーコ、


ごめん。


「……僕は……」