「それじゃあ、何かあったら連絡してね♪遠いからすぐ行くってことはできないけど…まぁ楓くんが一応近くにいるから困ったことがあったら楓くんに連絡して☆」



「はいはい。」



家の前で停まっている空港に行くためのタクシーを前にママがニコニコしながらキャリーバッグをトランクにしまっている。



「じゃ、まったねー♪」



「はいはい。じゃーねー。」









なんつーか、


さびしいとか

悲しいとか


んなマイナスな気持ちも芽生えるヒマもなくママと別れてしまった。







「てかさぁ…あたし、まさかまさかで高校3年間ひとり暮らしなのかね。」



遠くなるタクシーを見つめる。




「さぁ?気が向いたら戻ってくんじゃね。百合次第だろ。」






「なんか…15歳にして…先が見えないんですけど。」



「気分としてはいきなりリストラされましたってカンジ?」



「たまにはいい例えすんじゃん、アンタ。」



て、


納得してる場合じゃねーや。