――ところ変わって…美園家――





「2LDK!?デカッ!広ッ!俺んちとあんまかわんねーじゃん!贅沢だな~お前。」


「別に…うれしくないし。」




自宅マンションから車で家に向かっていた楓が到着した。


家に着くなり楓は外面と見取り図に釘付けになっている。





もー


広かろうが

キレイだろうが


どーでもいいよ。





そんなことよりあたしは不安でいっぱいだっつーの。





「はあ…。」





あたしは楓から見取り図を奪うと大きくため息をついた。




「あ!いっけない!また言うの忘れてたんだけどさーあ……」




「今度は何!」







ママの「忘れてた」発言に確実に敏感になってるあたし。








「明日行くんだけどさ、こっから空港まで遠いじゃない?」



「そうね…」



「だから桜子ちゃんの引っ越しと同時にママも荷物まとめて家を出て今日は空港の近くのホテルに泊まろうと思って。そんなわけで、引っ越しのゴタゴタとかは全部楓くんにおまかせしてあるから☆」



「おうッ!俺にまかせとけッ♪」