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ジリリリリリリリリリッ……


部屋の目覚まし時計がいつもより1時間早く鳴った。


「……眠い……だるい……めんどくさい…」


時計を止め、また布団に潜り込む。


今度は携帯が鳴った。


アラームじゃない。


着信だ。

こんな朝早くから…


予想はついていた。



「…あい。」

『サーコー!おっはよー♪朝だよ~☆早く起きてー』


電話の向こうから聞こえてくるのは朝とは思えないテンションMAXなマキマキの声。


「……ねぇ、今日遅刻してっちゃダメ?」

『ダメに決まってんでしょー!文化祭当日に遅刻するバカがどこにいんのさー!』

「言ってもムダだったか…」



そう、今日は文化祭初日。


あたしは昨日の前日準備だけですでに疲れていた。

あたしと龍仁の担当だった、衣装も無事決まりなんとか完成。小道具も手先が器用な航太とマキマキのおかげでだいぶイイ出来になっていた。


あとウチらに残された仕事は“メイク”のみ…


いざ当日になるとカナリめんどくさい。


だっていつもより1時間も早く登校しなきゃいけないんですよ?意味わかんないし。


『文句ばっか言ってないでさっさと起きて用意しろーッ!』