龍仁がいつものメガネ姿で学校に行くのはなんかイヤだった。


うまく説明できないけど…家でのメガネ姿をみんなに見られるのがイヤってゆうか~…


メガネ姿を知ってるのはあたしだけだったのになぁ…て思ったらなんだかちょっと嫌になった。


…あれ。


「メガネ、かけないの?」


スニーカーを履くと、龍仁はおなじみの黒ブチメガネをシャツの胸ポケットにしまった。


「そんなイヤな顔されたらかけたくなくなる。」


「え!」


なに!
あたしのせいかよ!


「別に嫌な顔してないし!気にしないでかけりゃいーじゃん。」


「…いい、かけない。」


変なとこ頑固なんだよな~コイツ。


「つか、メガネかけないとなんも見えないんでしょ?無謀じゃん。」


「授業中だけメガネかけて、あとは…気合いで頑張る。」

「アホか。」

「サーコに言われたくない。」

「はぁ!?」

「ごちゃごちゃうーるーせー。」


そう言うと龍仁はあたしのほっぺたを両手でギュッとつまんだ。



「…!?なななななななななにすんのさッ!」


あたしは顔を真っ赤にして龍仁の手を振り払う。また心臓がバクバク言い始めたし!


「サーコのカバ~。」


カバ?





…………………バカ!?