「そうそう!ま~…なんてゆーか…あれだわ。お前、この家出ろ。」



















な…





なん…



つったあ?









コトン。





庭のししおどしが空気を読んだように音を響かせた。












「家を…出ろ?」







顔色ひとつ変えない父の顔をマジマジと見る。






「そう。あ、縁を切るとかそういう意味じゃないぞ。ようはひとり暮らし始めろってこと。」



目の前に置いてあった宇治緑茶をズズズッとすする父。





「金は出す。」




え、


いやいや、


金とか


そういう問題じゃなくてさ!





「あの…なんでまた…急にそんな話に…」





僕はパーマがかった(寝癖)髪の毛をわしゃわしゃとかきながら首を傾けた。





全くわからない。

全っっくわからない!



意図がわからない!



え、えっ?


何。


何コレ。


夢?


夢なら覚めてっ!