地元の駅までは大体20分…

ものすごく長く感じる…

果てしなく長く感じる!

マージ身体に悪い。

尋常じゃなく汗はでるし、心臓ドクドクだし、なんならヒザもガクガクだし…


ワタシシッカリ!


20分間、あたしと龍仁はとくに会話を交わすこともなかった。


駅に着くと、雪崩のように人が電車から降りて行った。あたしたちもそれに紛れて流れるように降りる。




「ふぅ…つ、疲れた…」


緊張と満員電車と慣れない浴衣とでとにかくもうあたしの身体は疲れきっていた。



「大丈夫?」

「ギリ。」



体力的にも
精神的にも


ギリ!



「少し休む?」

「いや…早く帰ろう!そんで早く寝たい…」



駅から家までの距離はそう遠くない。10分以内には着く。近くてホントよかった。





「久しぶりだなー………て、おい!!」

「え?」


家に着き、リビングの電気をつけた瞬間龍仁が叫んだ。


「何これ!リビングはキレイにしとけっつったじゃん!」

「いや、あの、じゅうぶんキレイだと思うんだけど…」

「アホか。」

「いたいっ!」


龍仁が帯に刺していた扇子であたしの頭をたたいた。


なんで!?