昔から、おとなしい人ほどキレると怖いってゆうけど…アレ、ホントだわ!


「大丈夫?なんか変なことされなかった?」

「うん…」


なんだか妙に龍仁の優しさが身に染みる。



「なんでさ、彼氏とか言っちゃったのよ。」

「え?あぁ。そう言ったほうが説得力あるし、向こうもヤバいなってなるかと思って。ごめんね。」


「別に…いいけどさ……助けてくれてありがと。」


「どういたしまして。」




なんでかわかんないけど、龍仁が「彼氏だ」って言ってくれたときウソだと分かっててもホッとした。


安心したってゆーか…


龍仁はスーパーマンだ。


マラソン大会のときだって、今日だって、あたしがピンチになると真っ先に助けに来てくれたのは龍仁だった。


たまたまかもしれないけど、あたしには神に見えた。

ヒーローに見えた。


カッコよく見えた。





「どうかした?」

「な、なんでもない!」

「そ。てゆーか、サーコ浴衣似合うね。カワイイじゃん。」








キュン









は?
な、なに?

キュンってなに?
今胸がキュンって…なになにコレ!意味わかんないし!

てか、なにあたしドキドキしてんの!なにこのドキドキ感!

急に脈拍早くなってるんだけど!

なんで!?
なに!?
恥ずかしい!
スッゴイ恥ずかしいんだけどやけに恥ずかしいんだけど………


なんなのコレ!



え!?え、え、え!?





コレってまさか…












………恋!!??



カップの中のかき氷がジワジワと溶けていった。