「サーコがいないってゆーから、航太と一緒に探しに来たんだ。見つかってヨカッタ。」


「うぅ……」


「しかしまー、何をどうしたらそうなりますかね、本当ドジ。」


「…悔しいケド……否定出来ないわ。」


「…はい。」


「え?」


「はい、どーぞ。」



そう言うと龍仁はあたしに背中を向けた。


「えっと…あの、コレは………」


「おーんーぶー。」



え、え、え―――――っ!


「ちょ、正気!?」

「至って正常。」

「だって……」



女アレルギーなのに…おんぶなんてしたらカラゲーどころじゃすまないんじゃ……!?



「たぶん死ぬよアンタ。」


「あぁ…サーコが重すぎて?」


「殺す!」


「すんません…」


「そうじゃなくてさ、アンタおんぶなんてしたらカラゲーじゃすまないかもよ!?」


「…うるさい、黙って。」


「は!?」


「人のこと心配するヒマあるなら自分の足心配しなよ。ケガ人は大人しくさっさと背中に乗って下さい。」


「でも……」


「いーから乗れっつーの!怒るよ!」


「ごっ…ごめんなさい…」



りゅ、龍仁がキレた!初めてキレた!

普段おとなしいだけにビックリするわ…


圧倒されたあたしは思わず謝った。