それは、


まさに


突然のできごとだった。



はじまりは、いつもと変わらない朝食時にかかってきた1本の電話。







プルルルル………
ルルルルル………






「桜子ちゃん、電話取ってくれるー?」




パンをかじりながらテレビの“今日のうらないカウントダウン”をなんとなく見てたあたしにママが言った。






「おう。」



イスから立ち上がり、近くにあった子機を取った。






「もしもーし、美園でーす。」





かったるい。






『あ、サーコ?』




若い男の声。




この声は………









「…………楓?」





電話の向こうから聞こえてきたのは懐かしい声。



懐かしいも何も






楓は、








ウチの兄ですが。