あなたには秘密

私はよく夜明け前に一度目を覚ます。

その時、隣にいる彼の寝顔を見るのが好きだった。

彼に言ったらきっと悪趣味だって言われるだろうから、これは私だけの秘密。



彼の顔は猿っぽくて犬っぽい。

こんな例えを人にすると、犬猿が共存する顔って想像つかないなんて言われるけど、実際そう思うのだから仕方がない。

短く切り過ぎた前髪に整った眉、長いまつげ、スラリとした鼻、薄い唇...

あっ、ほっぺにニキビ出来てる。

最近、暴飲暴食してるって言ってたからな~

今日は肌に良い料理作って上げよう。

ん?

彼がむにゃむにゃと言葉にもなっていない寝言を言った。

いつもは格好良い彼だけど...
なんか可愛い。



あと何度、あなたの寝顔が見れるのだろう…

あなたには秘密の私の楽しみは、いつまで続けられるのだろう…

叶うなら、あなたの顔に深い皺が刻まれ、髪が真っ白に変わっても、あなたの寝顔を見ていたい。

でも、どんなにあなたが好きでもいつか別れるかもしれないという不安がつきまとう私は、いつもこれがあなたの最後の寝顔かもしれないと思うの。

そんな不安も、朝あなたが笑っておはようと言うだけで消えてしまう…

不思議よね…

あなたは今、何の夢を見ているんだろう?

私の夢だったらいいな。